このブログ内容は人の生死に関わる文章が含まれております。気になされる方はお読みいただくのをお控えください。
2020年11月22日、6年来の友人でもあり、ビジネス仲間でもあり、お客様でもある方が突然お亡くなりになりました。
突然死だったそうです。
その方はつい10日前に髪をカットさせていただいたばかりでその時は元気で楽しくお話しをさせていただいていたのに。
僕がハサミを置いていた時期もありお久しぶりで、僕の美容師復帰の知らせを聞いてわざわざカットしに来てくださいました。
ヘアスタイルは何の要望もなく、全て京くんに任せるよと行ってくださり、これまでカットさせていただいた中で一番短くして、お互い新しい時間を始めようとしている感じで。
色々あったその方の1年間と僕の1年間の隙間を埋めるような会話をして。
そしてお互いこれからも頑張りましょうね!みたいな感じでその日はさよならしました。
それからたった10日ばかりで最期のお別れをすることになるには。。。
そんな出来事があり、僕は美容師という自分の存在がその方にとって何だったのか、また残されたご家族にとって何だったのか深く考えさせられました。
美容という仕事は人を前向きにしたり、人に勇気を与えたり、人に元気を与えられる仕事だと思っていましたが、人生の最期を迎える際にも共にする仕事だとは思っていませんでした。
我々の仕事は華やかなイベントごとだけでなく人の日常に本当に寄り添っている仕事なんだと心から感じました。
自分自身がどういった想いでお客様に接するべきなのかをもっともっと深く考えさせられるそんな出来事でした。
故人の奥様と少しだけお話しをさせていただいたときに、故人が来店される前から楽しみにしていたということや、カット後も喜んでいたということをお伺いし、また、いつもかっこよくしてくださりありがとうございましたとのお声をいただきましたが、本当にあれが精一杯だったのか?悔いはないのか?と問われると何とも言えないです。
最期のカットだなんて考えもしていなかったから。じゃあ最期だとわかっていたら何か違ったのか?
何も変わらないのが理想ですが僕にはそこまでの心意気はまだなかったのが正直なところです。
僕たちの髪を切るという仕事は、体の一部を切り落とす仕事です。
そこには深い深い意味や、その方の人生の一部、日常の一部を任されているというとてもとても大きな意味と責任があります。
たとえ1回しか担当しないお客様であっても、毎回担当させていただけるお客様でもそこに責任の重さの大小はありません。
だからこそ私たち美容師は日々の研鑽を忘れず、お客様のために常に精一杯仕事をしなければなりません。
売り上げを上げることが目標であってもいいけど、目的は美容の技術や人と人との関わりを通じてお客様の日常の幸せのお手伝いをさせていただくことです。
毎日毎日目の前のお客様とその背景にある日常の幸せを願って僕にできる精一杯のサービスを全身全霊で行なっていきます。
そんなことを感じさせていただきました。ノリさんにとってはもう遅いけど。
ノリさん、京くん京くんと親しく呼んでくれて一緒に飲んだりゴルフ行ったり、家の壁直してくれたりお店を増築してくれたり髪を任せてくれたり、最後に美容師としての大切なことを教えてくれたりして本当にありがとうございました。
心より御冥福をお祈りいたします。
2020年11月24日
寒川 京
寒川 京
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